serial experiments lain [5/5点]
・万人受けするアニメではないが一度は見て欲しい作品
・「音」を用いた表現が素晴らしい
以下はネタバレ&あらすじ
ある日死んだはずの少女から主人公岩倉玲音にメールが届いた。
それをきっかけに世界で異変が起こり始める。
聞こえるはずのない誰かの声。
視えるはずのない死人。
居るはずのない場所にいる自分。
岩倉玲音は「人間」ではなかった。
彼女はある科学者によって、インターネット(Wired)という世界に生まれた生命体だ。
彼女に肉体はなく、あるのは心(記憶)だけだ。
しかし、その記憶すら次第に歪み始める。
そして玲音は次第に「自分」という存在を見失っていく。
それと呼応するように現実世界も崩壊を始める。Wiredが現実世界を侵略し始めたのだ。
最後、玲音は「自分」という存在(記憶)を「世界」から抹消することで世界を救う。
と、こんな話である。
何が「自我」を形成するのか。この問いについては昔から多くの議論がなされてきました。
アニメでは、例えば、1995年の押井守監督による攻殻機動隊がこの問いを扱っている。
この作品では、記憶の外部化によって生じる近未来の日本の問題が描かれる。
人が機械化していくのであれば、機械の人化も起こり得る。その時、人と機械の境界線は曖昧となり「自我」(ゴースト)の認識も不明瞭なものへとなっていくというのが本作での問題提起の一つだ。
serial experiments lainもこの「自我」をテーマにした作品なのだ。
では結局、玲音は「自我」を獲得できたのだろうか?その答えはYesだ。
玲音は存在の抹消という「自己犠牲」を行なった。それは意思なき単なる「ソフトウェア(機械)」にはできない選択である。
(攻殻機動隊SAC 2nd.GIGラストのタチコマ達の自己犠牲にも通ずるところだ。自身の存在と引き換えに核ミサイルを食い止めた彼らにプロトは「君達にはゴースト(自我)があるんだね...」と呟く。)
「serial experiments lain = ひとつなぎの実験」とは
『人ならざる者が自我を形成できるか否か』についての実験なのである。
なお、本作はPlaystationゲーム•書籍とのメディアミックスが行われている。
特にゲーム版は相当なボリュームがあり、
アニメ版Lainにハマった方にはぜひともゲーム版のプレイ•視聴をおすすめしたい!
ゲーム版は今となっては大変高価で入手が難しいため、ゲーム配信の視聴が現実的だろうと思います。
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プレイリストはここから↓
serial experiments lain All Game Files [No Subtitles ver. ] - YouTube