Linのアニメ&ラノベ備忘録

本ブログではアニメ&ラノベの評価点(おすすめ度)をタイトルに。記事の冒頭にアニメの感想(ネタバレなし)を。その数行下にアニメの全話あらすじを書いています。評価点の基準については「このブログについて」に記載しています。

イノセンス [5/5]

 

ストーリー・映像・音楽全てが美しい作品

第25回日本SF大賞受賞

2023年現在、日本のアニメーション作品として唯一カンヌ国際映画祭にノミネート

 

あらすじ

少佐こと草薙素子が失踪(前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のラスト)してから3年後の西暦2032年

巨大企業ロクス・ソルス[注 3]が販売する少女型の愛玩用ガイノイド「Type2052 “ハダリ(HADALY)”」[注 4]が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が相次いで発生した。被害者の遺族とメーカーの間で示談が不審なほど速やかに成立し、また被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから、公安9課で捜査を担当することになり、公安9課のバトーは、相棒のトグサとともに捜査に向かう。

その最中、ロクス・ソルス社の出荷検査部長が惨殺される事件が起きる。暴走したハダリに組長を殺された指定暴力団「紅塵会」の犯行であると踏んだ公安9課は、紅塵会の事務所を襲撃する。検査部長はロクス・ソルス社から「落とし前」として紅塵会に売られたのだった。その帰宅途中、バトーはいつものように立ち寄った食料品店でゴーストハックされ乱射事件を起こしてしまう。

事件の核心へと迫るべく、バトーとトグサはロクス・ソルス本社がある択捉経済特区へ向かう。手始めに二人は、バトーへのゴーストハックの容疑でハッカーキムの屋敷を訪れる。2人は電脳疑似現実のループに誘い込まれてしまうが、何者かからのヒントで脱出に成功。ロクス・ソルス社がキムを雇い、捜査の妨害を試みたと確信した2人はキムを確保し、バトーは公海上にあるロクス・ソルス社のガイノイド製造プラント船へ乗り込む。

トグサはキムの脳殻を用いてバトーをバックアップするが、プラント船の警備システムが作動し、電脳戦の末にキムは死亡してしまう。だが、キムは自らの死に連動したウイルスを製造プラント船内に仕込んでおり、それによって待機中のハダリが暴走し、船内のロクス・ ソルス社の警備兵たちを惨殺しはじめる。プラント船中枢を目指すバトーがそれらに応戦している最中、1体のハダリが現れ、バトーを援護する。そのハダリは素子が自身の一部をダウンロードさせたものだった。食料品店でバトーに警告を発したのも、キムのループを解くヒントを与えたのも素子だった。

素子のハッキングによってプラント船内は鎮圧され、バトーは捜査を再開する。プラント船の中枢部にはゴーストガイノイドに複製する「ゴーストダビング[注 5]装置」が並んでいた。ハダリの正体は、紅塵会が密輸入した少女たちのゴーストを犠牲にして作り出した「生きた人形」であった。相次いで発生した惨殺事件は、良心の呵責に耐え兼ねた検査部長が警察の捜査によってハダリの正体が暴かれる事を期待して、ハダリのプログラムに意図的に細工を施すことで起きたものであり、紅塵会に売られた理由もその事実がロクス・ソルス社に露見したためであった。素子は脱出するバトーに「あなたがネットにアクセスするとき、私は必ずあなたのそばにいる」と言い残し、ハダリのデータを消去した。

事件解決後、バトーはトグサの家に預けていた犬のガブリエルを迎えに行き、その際トグサに抱かれた娘とその腕に抱かれた娘へのプレゼントの人形、バトーに抱かれたガブリエルはお互いを見つめ合ったのだった。