Linのアニメ&ラノベ備忘録

本ブログではアニメ&ラノベの評価点(おすすめ度)をタイトルに。記事の冒頭にアニメの感想(ネタバレなし)を。その数行下にアニメの全話あらすじを書いています。評価点の基準については「このブログについて」に記載しています。

灰羽連盟 [5/5]

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「罪を知るものに罪はない。では汝に問う。汝は罪人なりや?」

 

我々は罪の輪からどうすれば抜け出すことができるのか?

 

あらすじ

 

高い空からまっすぐに落ちていく少女。やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。古びた建物の一室で彼女を迎えたのは背中に飛べない灰色の羽を持つ、「灰羽」と呼ばれる人物たち。繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女は「ラッカ」と名づけられる。

高い壁に囲まれたグリの街、灰羽たちの暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる。灰羽はその時が来たら壁の外へ消えてしまう。クウは雨の降る日に突然消えてしまった。クウがいなくなっても街は何も変わらない。ラッカはその事実に戸惑っていた。そしてラッカの羽が黒く変色し始める。黒い羽は「罪付き」と呼ばれ、グリの街から祝福を受けることができない存在。レキも本来は罪付きであり、薬で羽を灰色に見せているのだと知る。ラッカは鳥に導かれ西の森の井戸にたどり着く。底には鳥の死骸があった。ラッカは繭の夢の中で、鳥が自分を救おうとしてくれたことを思い出した。「自分はこの世界に必要のない存在だと思っていたが、その鳥はそうではないと教えてくれようとしたのではないか。」ラッカは助けてくれた話師にそう打ち明けた。ラッカは壁に触れた償いとして壁の中を掃除することを仕事とすることになった。ラッカはレキの巣立ちが近いことを知らされる。しかしレキは未だ罪付きであり、罪付きは巣立っても人としても灰羽としても生きられず孤独な死を遂げてしまう。

 

「罪を知るものに罪はない。では汝に問う。汝は罪人なりや?」この問いには出口がないように見える。己の罪を知るなら自分は罪人ではなくなるが、自分が罪人ではないと考えた瞬間、己の罪を認めぬ罪人となる。

 

この罪の輪からラッカは抜け出すことができた。それは「鳥」というラッカを支える存在がいたからだ。では、レキはどうすればこの罪の輪から抜け出すことができるのか?

 

ラッカは自分がレキにとっての「鳥」となることを望んだ。レキは最後に他者に救いの手を伸ばしたことで罪の輪から抜け出すことができたのであった。

 

「その者は険しき道を選び、弱者を労わることで呪いを濯いだ。その心性は救いを得んが為の仮初のものであったが、今やその者の本質となった。灰羽が巣立つ時、踏み石となる古い階段がある。礫とはその踏み石であり、弱者の導き手となるものである。」