Linのアニメ&ラノベ備忘録

本ブログではアニメ&ラノベの評価点(おすすめ度)をタイトルに。記事の冒頭にアニメの感想(ネタバレなし)を。その数行下にアニメの全話あらすじを書いています。評価点の基準については「このブログについて」に記載しています。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society [4/5]

前作と同様社会問題(少子高齢化)を主題とした作品

映画なので情報の詰め込みが多く、一回の視聴で理解するのは難しいかも

 

個別の11人事件」後、草薙素子が公安9課を去って2年経った西暦2034年。草薙が失踪したことにより組織の変革を余儀なくされた9課は、課員を増員し、「10の力で1つの事件を解決する組織」から「8の力で3つの事件を解決する組織」へと方針を転換。加えてトグサを新設された隊長職に任命し、新体制の下で犯罪の抑止にあたっていた。

バトーはこれに馴染まず、新入隊員の訓練教官を務める傍らで「個人的推論に則った捜査」として単独行動を取っていた。そんな中、「梵字」の刺青を入れた男たちが相次いで不審な自殺を遂げる事件が発生した。自殺した彼らはシアク共和国のカ・ルマ元将軍に忠誠を誓い、マイクロマシンによるテロを画策していた工作員であった。

そこで、公安9課は、カ・ルマの嫡子であるカ・ゲル大佐をこの自殺事件について取り調べようとした。しかし、カ・ゲル大佐は新浜国際空港で、入国管理官を素手で殺害して銃を強奪し、空港職員を人質を取って新浜国際空港に1人で立てこもった。トグサ率いる公安9課はカ・ゲル大佐を追い詰めるも、カ・ゲル大佐は突然「傀儡廻(くぐつまわし)が来る!」と叫び、トグサの目の前で拳銃自殺してしまった。この一部始終を、失踪したはずの草薙素子が新浜国際空港を望む港湾施設から監視していた。

カ・ゲル大佐の空港立てこもり事件から数日後、単独で捜査を行っていたバトーは草薙と再会する。草薙はバトーに「Solid State には近づくな」と謎の警告をする。

その後、公安9課は事件の捜査が進むにつれ、傀儡廻(くぐつまわし)」という謎のハッカーネームの存在を知る。その傀儡廻(くぐつまわし)」は高度なハッキング技術を持ち、電脳化された人間の気臆の書き換えや記憶操作も簡単にやってしまう、とのことだった。その犯人の脅威の手口から、バトーは「傀儡廻(くぐつまわし)」の正体が草薙素子ではないか?とひそかに疑った。

物語は『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』の「個別の11人事件」が解決した後、草薙素子が失踪してから2年後の事件を描いている。現実の日本社会と同じように、作中でも少子高齢化が進んでおり、家族を持たないで老年を迎える人口の増加によって、介護の問題が大きくなっている。その解決のために在宅で医療ネットにアクセスし、全自動介護システムによる介護を国が誰にでも最低限保証し、貧困層・富裕層を問わず機械による介護が一般的になっている。だが、このシステムは老人の寝たきりを助長する結果となり、「体のいい遺産回収システム」と揶揄されている。寝たきりで干乾びるように死んでいく老人を、ワインに使う貴腐葡萄に準えて、「貴腐老人」と呼び、その数は600万を超えている。また、増加する移民、失業率の増加、労働人口の減少、少子化、子供に対するDVを取り上げ、それらを解決すべく犯罪行為に手を染める容疑者が描かれる。